最近注目されている「アンガーマネジメント」をご存知でしょうか?
2022年4月から、中小企業でも「パワハラ防止窓口」の設置が義務づけられたことで、怒りの感情をコントロールするアンガーマネジメントが話題になっています。
この記事では、アンガーマネジメントとは何か、そのメリットや実践方法を紹介していきます。アンガーマネジメントを実践するメリットを知り、簡単にできるアンガーマネジメントを実践してみましょう。アンガータイプ診断も紹介しています。ぜひやってみてくださいね!



アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは、怒りの感情とうまくつき合い、コントロールできるよう心理トレーニングをすること。1970年代にアメリカで誕生したと言われ、怒りの感情に振り回されず、人間関係や仕事を含めた生活を快適にするための手段です。
誰しもイライラしたり、腹が立ったりすることはありますが、すぐに怒りを露わにしてしまうのは、周囲との人間関係や業務にも悪い影響を与えてしまいます。

怒りを「がまん」するばかりでなく、上手にコントロールすることで、ビジネスや友人、家族との関係が良好になり、仕事や趣味においても生産性や能率が上がります。仕事だけでなく、友人・夫婦・親子など、さまざまな人間関係で役立てることもできます。

アンガーマネジメントが注目される背景

昨今、「ハラスメント」という言葉をよく耳にするようになりました。特に職場においてパワハラやセクハラ、いじめという問題は社会的な問題として取り沙汰されています。
国も働き方改革を推進するに伴い、2020年6月に「パワハラ防止法」を施行しました。中小企業においても2022年4月からハラスメント防止窓口の設置が義務化され、その一環としてアンガーマネジメントが注目されています。

パワハラの被害に遭うことを防ぐには「パワハラをしないようにすればいい」という考え方ですね。そのためにも、アンガーマネジメントを身につけることは、重要な意味を持つことになります。

アンガーマネジメントを実践するメリット

怒りをコントロールできるようになると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

業務がスムーズになる

怒りの感情は、イライラしてモチベーションが下がったりしがちです。これを表に出すとその場の雰囲気が悪くなるだけでなく、人間関係も悪化しかねません。
本人は我慢しているつもりでも、周囲には怒りやイライラが伝わっているもの。アンガーマネジメントを身につければ、怒りの表出を抑えられるので、仕事にも集中でき周囲へ悪い空気を振りまくこともありません。

コミュニケーションが円滑になる

よく怒る人は周囲に要らぬ気を使わせるだけでなく、実際に怒りが爆発すると人間関係を築くことができなくなります。
アンガーマネジメントによって怒りの感情をコントロールできるようになると、人とのコミュニケーションが円滑になり、仕事だけでなくプライベートでも人と上手に付き合えるようになります。

ハラスメント防止になる

パワーハラスメントは、やはり怒りに起因するところが大きいでしょう。上司が部下への怒りをコントロールできれば、パワハラの防止に繋がります。
また怒りで威圧するのではなく、冷静に適切に部下に諭すことができれば、社員教育という面でも非常に有効です。

簡単にできるアンガーマネジメント方法

気をつけておけば簡単に実践できるアンガーマネジメントの方法をいくつか紹介します。ぜひ今からやってみましょう。

6秒待ってみる

人の怒りは6秒でピークを過ぎるのだとか。つまり、怒りを感じたときにすぐに感情を表に出すのではなく、6秒待ってみることが大切です。6つ数えるだけなので、とても簡単に怒りを鎮めることができます。その間、目を閉じたり、胸に手を当てたりすると落ち着きやすくなります。「そんなことで鎮まらない!」という場合には「大丈夫、大丈夫」など、心の中で繰り返してみましょう。

完璧でなくてもいい

完璧主義でこだわりが強い人ほど、怒りの感情がわきやすいそうです。こだわりや理想を崩すのは許せないことかもしれませんが、少し肩の力を抜いて、許容範囲を広げてみましょう。
特に「こうあるべき」「○○しなきゃ」という考えを、人にも押しつけると、相手が思い通りに動かなかった場合にイライラします。人は人、自分は自分と大らかな気持ちを持ち、異なる価値観を楽しんでみましょう。

その怒りに点数をつける

イラッときたり、怒りを感じたりしたら、その怒りに点数をつけてみましょう。点数をつけようとすると、なぜ怒っているのか、原因は何かなど、状況や自分の感情を客観的に見ようとします。すると冷静になることができ、怒りをコントロールしやすくなります。怒るにしても、感情的にならず静かに諭すことができます。

深呼吸をする

深呼吸によって酸素をたくさん取り込むと、副交感神経の働きが高まり、リラックスできます。実際に深呼吸しながら怒ったりイライラしたりするのは、かなり難しいです。怒りを感じたら、深く息を吸って深呼吸を数回しましょう。鼻から吸えるだけ吸って、口から細く長く吐くようにすると、よりスッキリしますよ。

あなたのアンガータイプは?タイプ別の対処法

怒りにもタイプがあり、自分のアンガータイプを知っておくことはアンガーマネジメントにも有効です。「一般社団法人日本アンガーマネジメント協会」が無料で行っているアンガーマネジメント診断があるので、自分がどのタイプか診断してみましょう。

6つのアンガータイプ別対処法

アンガーマネジメント診断で怒りのタイプがわかったら、それに合った対処法を実践しましょう。

公明正大タイプ
正義感が強くそれを貫こうとします。高い道徳観を持ちルールを実直に守りますが、他人にも厳しくルールやマナーを押しつける傾向が。間違っていたらきちんと自分の非を認め、自分の価値観を人に押しつけないように気をつけましょう。

博学多才タイプ
潔癖で完全主義者、物事に白黒をつけたがり、論理的で合理的なことが大好きです。やり遂げるパワーと向上心は素晴らしいのですが、優柔不断な人やあいまいな態度を許せない傾向に。第三者の目から物事を多角的にとらえられるようなトレーニングが有効です。

威風堂々タイプ
リーダーシップがありプライドと気品を備えているタイプ。堂々と自分らしくあり、行動力があって面倒見も良いので周囲から持ち上げられることも多いです。一方で自信過剰で自己中心になりがち。相手が思い通りに動かなくてもそれが自分の欲求かどうか気づければ怒りをコントロールできます。

外柔内剛タイプ
穏やかながら内に強いものを秘めています。自分ルールを頑なに守る頑固者。責任感も自主性も強いので頼れる存在です。ふだん穏やかなだけに一度怒りに火がつくと手が付けられなくなります。自分ルールに気づき、人のいい面にも目を向けるようにしましょう。

用心堅固タイプ
頭がよく勝てない勝負はしない策略家です。人間関係においても考えすぎるあまり八方美人になる傾向が。要領良く如才ないスマートな人ですが、反面猜疑心や不信感、劣等感が強くなりがち。相手をよく見て自分も心を開くことを心がけましょう。

天真爛漫タイプ
思ったことを思った通りに行う自由人。自分の主義主張をまっすぐに表現し、パワフルに目標に向かいます。話すことに長けており、自分の意見を伝えることが上手です。自分の意見を押し通そうとしがちなので、相手の気持ちを察するトレーニングをしてみましょう。

まとめ

アンガーマネジメントは、ちょっとしたことでトレーニングできる感情のコントロールです。怒りの感情は自分にも周囲にも負の感情を抱かせるため、うまくコントロールして円滑な人間関係を築きましょう。怒りがダメなのではなく、自分の意思で指揮することが大切なのです。そしてこのスキルは、どこにいっても大変役に立ちます。怒りの感情が湧いた時は、この記事のことを思い出して実践してみてください!