求職活動をするとき、どのような条件を大切にしていますか?転職活動では求人サイトで条件の絞り込みをしますが、何を決め手にするかは年代や職種、雇用形態などによって大きく異なります。
今回は、求職者が重要視するのはどのような条件なのかを詳しく分析し、傾向を探っていきます。
採用活動や、就職活動の参考にしてみてくださいね!



求職者が重視している条件とは?

転職しようと考える人が、最初に行動を起こすのは求人サイトで検索することです。求人サイトでは条件を絞り込んで検索ができますが、どの項目での絞り込み条件が多かったのか、またその理由について見ていきましょう。

求人検索の主な条件

求人サイトで検索をするときの主な条件は、以下のような項目があります。

  • 職種
  • 業種
  • 勤務地(転勤の有無、勤務地限定、通勤手段など)
  • 仕事内容(経験を活かせる、経験を積める、資格を活かせる、語学を活かせるなど)
  • 雇用形態(正社員、契約社員、時短勤務、テレワークなど)
  • 福利厚生(退職金制度、社宅・家賃補助、育児・介護支援制度など)
  • 待遇(給与・賞与、勤務時間、休暇など)
  • 応募条件(未経験歓迎、経験者優遇、学生・主婦歓迎など)
  • 昇給、昇進、異動
  • 会社組織・経営方針(上場企業、外資系、社員数、定着率、管理職、社風、海外拠点があるなど)

また検索窓に入力するキーワードで多いのは、以下のようなものです。

  • 未経験
  • 事務・営業・看護師などの職種
  • 正社員
  • 30代・40代など年代
  • 在宅勤務・フルリモートなど勤務体系
  • 高卒・大卒などの学歴
  • 第二新卒
  • 土日休み・完全週休2日など休暇に関すること
  • 残業なし
  • 転勤なし

これらのキーワードを踏まえて、求職者が重視している項目とその理由を考えていきましょう。

求職者が重視する条件

求人サイトでの条件検索は、多いものから順に以下のようになります。

1位:勤務地
2位:年収
3位:職種
4位:雇用形態
5位:休暇
6位:業種
7位:未経験歓迎
8位:転勤なし・勤務地限定
9位:学歴不問

参照元:d’s JOURNAL( https://www.dodadsj.com/content/200212_job-board/)

何を重要視するかは、年代によっても多少変わってくるようです。例えば、24歳以下では「仕事の内容」「勤務形態、勤務時間」「生きがい、やりがい」が上位に入るのに対し、30代後半では「前職を活かせる」「勤務形態」「給与」が上位に入っています。

若い世代では、まだスキルがそれほどないために、前職を活かしての転勤というよりは、面白そうな仕事内容ややりがいが感じられる仕事に魅力を感じるようですね。
対して30代後半以上になると、これまでに磨いたスキルを活かして条件の良い働き方を求めるようになる傾向にあります。

条件を重視する理由は?

では、その条件を重視する理由は何でしょうか。検索ワード上位の条件についてそれぞれ見ていきましょう

「勤務地」を重視する理由

都心部ほど通勤時間が長い傾向にありますが、往復の通勤時間を月に換算するとかなりの時間を取られています。身体的な負担も大きく、仕事の継続にも影響があるため、自宅から通いやすく子どもの保育園や自身の趣味などにも便利な勤務地を重視する傾向にあります。

「年収」を重視する理由

転職するなら年収をアップしたい、前職より年収が低いと生活レベルを落とさないといけないといった声が多いようです。
35歳以上になると、これまでのキャリアを正当に評価してもらいたいため、年収にこだわるということも。

「職種」を重視する理由

これまでの経験や、取得した資格を活かしたいので、職種を重視する人がほとんどです。一方で、これまでの職種が合ってない、向いてないという人も、別の職種で探す傾向に。この場合は「未経験歓迎」というキーワードでも検索しています。

「雇用形態」を重視する理由

雇用形態とは、正社員、契約社員、パートなど、企業と結ぶ雇用契約のこと。これを重視する人は「正社員で働きたい」という人が大半でした。現在は非正規での雇用形態が増えている中、正社員で働いていた人は、次も正社員で働きたいと思うようです。
さらに、非正規雇用だった人も、収入や雇用の安定を求めて正社員を希望するケースも多くあります。

「休暇」を重視する理由

政府も働き方改革を推進しているように、労働者もワークライフバランスを重視している人が増えました。家事や育児、趣味を充実させたいという理由から、土日に休めるか、週休二日制かといった休暇を重視する人が多いようです。
また、しっかり休みを取れることが、仕事へのモチベーションにも繋がるという考え方もあります。

自分が優先する条件を考えよう

求人サイトで条件を絞り込むとき、何となく条件を選んでいませんか?転職活動を成功させるためには、今一度条件の優先順位を整理して決めることも大切です。

転職の軸を見つける

転職の軸とは、次の仕事を選ぶ際に重視する条件のことです。この転職の軸が定まっていないと、ブレた転職活動となり、応募先が定まらないということになります。
転職の軸を見つけるには、各求人サイトにある「条件」を書きだし、自分が求める条件には「○」、特に重視する条件には「◎」、絶対に避けたい条件には「×」をつけていきましょう。

さらに、その中から今の職場でもある条件なのか、転職先に求める条件なのかを区別します。
一覧性があるため、客観的に見ることができ、自分が転職に求めている軸が見えてきます。

それぞれの条件を具体的にしていく

次に、○や◎を付けた条件を、具体的に掘り下げていきましょう。
例えば「給与」を選んだ場合には「年収最低○○万円以上、希望は○○万円」と書き込んでいきます。「職種」なら「営業職」「SE」などと具体的な職種を書きます。

それぞれの条件をより具体的に書き出すことで、さらに自分の転職の軸が明確になり、整理できるようになります。

「MUST」か「WANT」かを区別して優先順位を付ける

「MUST」は絶対譲れない条件、「WANT」は譲歩可能な条件として、上記で書き出した条件をどちらかに分類します。さらに「MUST」の中でも優先度が高いものに順位を付け、その後「WANT」内でも順位を付けます。

このようにして絞り込んでいくと、本当に自分が望む優先順位がわかりやすく整理され、求人サイトで条件検索する際に大きな指針となります。何となく条件を入れていては見つからない求人情報が見つかる可能性が高まります。

求人活動を行う企業は、条件を明確に!

企業が求人活動を行う際には、求職者が条件検索することを踏まえて、できるだけ条件を明確に記載することが大切です。
また求職者は、応募前には求人サイトで情報収集しますが、それ以降は企業サイトをよく見ています。
応募の決め手となるのは、詳細な「仕事内容」が多く、自分のキャリアやスキルを活かせるなら、その他の条件は合わなくても良いという人も多いようです。多くの求職者が、やりがいや仕事の面白さを求めているということですね。

また、反対に応募を見送る理由としては、企業の詳細情報を読んだところ、条件が合わない、なじめそうにない、仕事内容が想像しにくいといった理由が多くありました。
求人活動には、求人サイトの上手な活用と、自社サイトの充実を図ることが大切ということです。

まとめ

求職活動において、重視する条件を決めておくことは非常に大切です。何となく条件検索してもなかなか応募したい企業が見つからないのは、自分の中で優先順位が定まっていないからかもしれません。
また企業の求人活動においても、条件検索を視野に入れた記載の仕方に工夫をする必要があります。
上手に検索条件を活用することで、働く人と企業がマッチします。