オフィスワークの方は長年腰痛や肩こりに悩まされている人が多い印象です。それは、長時間座っていることによる弊害があるのではないでしょうか。
ここでは、座りっぱなしになるとどのような健康リスクがあるのか、また座りっぱなしを減らし健康リスクを減らすポイントを解説します。さらにオフィスで簡単にできるエクササイズも紹介するので、ぜひ参考にして取り入れてみてください。



長時間の座りっぱなしの弊害とは?

自分が1日にどのくらい座っているかご存知でしょうか?なんとなく運動不足を感じていても、具体的にどのようなリスクがあるのか知らなければなかなか行動にも移せないものです。
長時間座っていることの健康リスクを紹介します。

日本人の平均座位時間は世界最長!

シドニー大学などオーストラリアの研究機関の調査によると、日本人の平均座位時間は7時間で、世界最長という結果となりました。
長時間座り続けていると、血流や筋肉の代謝が低下します。そのために肩こりや腰痛、冷え性などの不具合が起こりやすくなります。

その生活を続けることで、心筋梗塞、脳血管疾患、肥満、糖尿病、がん、認知症などの健康へのリスクも指摘されています。
1日に座っている時間が4時間未満の成人と比べ、1日に11時間以上座っている人は死亡リスクが40%も高まるともいわれています。

また1日12時間以上座っている人は、6時間未満の人と比較して、メンタルヘルスが悪い人が3倍多いそうです。

出典:スポーツ庁ウェブ広報マガジン「DEPORTARE」
公益財団法人明治安田厚生事業団「健康づくりウォッチ」 

座りっぱなしを防ぐ新習慣を身につけよう

30分に1回は立ち上がって動くことを意識すると、座りすぎによる健康リスクを軽減できるといわれています。オフィスであればどのような対策ができるかあげてみましょう。

  • 社内に用事があれば社内メールや内線を使わずに歩いて行く
  • プリントやコピーをこまめに取りに行く
  • デスクワークを立って行う(昇降式デスクの利用など)
  • ミーティングや会議を立って行う
  • アプリを活用して立つタイミングを促す

オフィスで簡単にできるエクササイズ

企業全体でも座りすぎに取り組んでいるところはありますが、まだまだ自分で気を付けておかなければ座りすぎ防止にはなりません。また仕事中に頻繁に席を立つことが難しい場合もあります。

そこで、オフィスで気軽に、簡単に、座ったままでもできるエクササイズを紹介します。必要に応じて、やってみてください。

座ったままできるふくらはぎの運動

第2の心臓といわれるふくらはぎの筋肉をほぐし、血流を良くすることが大切です。会議や講義など、長時間座っていなければならない場合にでも、こっそりデスクの下でできるエクササイズなので、ふくらはぎの血流を意識して行ってみましょう。

①足の指をギュッと握りこみ、グーをつくる
②足の指を思い切り開く
③座ったままつま先立ちになり、かかとを上下させる
④かかとを地面に付け、つま先を上方向に引き上げたり下ろしたりを繰り返す(ふくらはぎの筋肉の収縮を意識して)
⑤片方の膝を両手で抱え、足の力を抜いて足首を回す(左右交代で行う)
⑥ふくらはぎを軽くもむ

これは飛行機など立って動いたりすることが難しい場合にも役に立つ運動です。エコノミークラス症候群の予防にもなります。

首のストレッチ

首は重い頭を支えており、パソコンやスマホを見るために前傾姿勢になるためかなりの負担がかかる部位です。定期的にストレッチをしてほぐしてあげましょう。

①椅子に座ったまま、身体をリラックスさせます
②目線はまっすぐに前を向き、背筋を伸ばします
③後頭部で両手を組み、頭と手の重みだけを利用して首を前に倒します
④ゆっくりと元の位置に戻ります
⑤右手を真上に持ち上げて、そのまま左耳に上から添えます
⑥頭と手の重みだけで首を右側にゆっくりと倒します
⑦ゆっくり元の位置に戻ります
⑧反対側も同じように行います

ポイントは、首を倒すときに腕の力を使わないこと、首から下はまっすぐに保ち傾かないように注意することです。

肩のストレッチ①

肩こりにも効果的な肩周りのストレッチです。1回につき20〜30秒程度を目安に行ってください。

①手のひらを下に向け、両肘を肩の高さまで持ち上げます
②肘から指先にかけて力を抜きます
③そのまま勢いをつけずに、ゆっくり大きく肘を前から後ろに回します
④後ろから前へも同様に回します

肘を持ち上げるとき、肩が持ち上がれないように気を付けましょう。また肘が肩まで上がらない人は、無理をせずに上がる高さまでで大丈夫です。

肩のストレッチ②

こちらも1回につき20〜30秒を目安に行ってください。息はとめずにゆっくりと深呼吸しながら行いましょう。

①背中側で腕組みをします
②そのまま状態を前・右・左、それぞれに傾けます。腰を中心に回したり、左右交互に傾けたりすることも効果的です

背中のストレッチ

背中は大きな部位ですので、ストレッチすると気持ちよくリフレッシュでいます。1回につき20〜30秒を目安に行ってみてください。

①椅子の背もたれを使わず座り、背筋を伸ばします
②右腕をまっすぐ上に伸ばします
③首だけで右を向き、目線は右から天井へ、身体は左側へ傾けます。このとき呼吸はとめず、ゆっくり深呼吸をしてください。
④反対側も同様にします

注意点としては、前屈みになったり反ったりせずに、わき腹を伸ばすイメージで行ってください。

腰のストレッチ

座りっぱなしだと腰も負担がかかりやすい部位です。椅子を利用したストレッチの方法です。

①背筋を伸ばしたまま、肘掛けや背もたれを利用して身体を右にひねります
②そのままの状態で姿勢をキープし、自然に呼吸をします
③反対側も同じようにひねります

左右でひねりやすさに差がある場合には、ひねりにくい側を長めに行うと良いでしょう。転倒しないよう、バランスには注意してください。

脚のストレッチ

座っていると股関節が90度に曲がっているため、血流が滞りやすくなります。そこで下半身に効果的なストレッチを行い、血流をよくしていきましょう。

①椅子に座ったまま、右の足首を左膝の上に置きます
②そのままゆっくりと前・右・左の順に身体を傾けます
③5回繰り返したら、足を入れ替えて同じことをします

腰にひねりを加える動作も入れることで、より効果的になります。痛みを感じる場合には無理をせず、角度をゆるめてください。

番外編・眠気覚ましのストレッチ

仕事をしているとどうしても睡魔に襲われることがあります。とくにランチ後の仕事は眠くなる時間帯です。そんなときに効果的なストレッチをすると、交感神経が優位になり眠気がとれます。また脳に酸素がいくのでスッキリして仕事も捗りやすくなります。

①椅子に座ったまま頭の後ろで手を組みます
②頭を抱え込むように、肘を曲げながら頭を下にむけます
③ゆっくりと首を少しだけ左右交互に傾けます
④頭に手を添えて、シャンプーをするときのようにマッサージします。心地のいい場所があれば、そこで手をとめてギュッと強めに惜します。息を吸うときに手をゆるめ、吐くときに押してください

まとめ

座りっぱなしのリスクと、その解消法、簡単なエクササイズの方法を8つ紹介しました。簡単にできるものばかりなので、気分や症状に合わせて行ってみてください。
はたらくぞドットコムでもオフィスワークのお仕事をたくさん掲載しています。

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