転職を考える時、1番心配なのが次の就職までの生活費ですよね。退職してから新しい仕事が決まるまで、頼りになるのが「失業保険」です。「失業保険」とは正式名称を「雇用保険」といい、労働者がさまざまな理由で失業した際に必要な給付を行い、生活や再雇用の援助を目的とした制度です。事業主は雇用したら労働者の意思に関係なく、ハローワークに届け出て雇用保険に入る必要があります。
この雇用保険制度のおかげで、失業した時の「失業手当」を受け取ることができるのですね。

今回は、失業手当を受ける条件や受給金額と期間、申請方法について解説していきます。コロナウイルスの影響で追加された特例もあるので、そちらも紹介します。

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失業手当を受給できる条件とは?

失業手当をもらうには、どのような条件が必要なのでしょうか?失業した理由によって条件が異なるので、見ていきましょう。

自己都合による退職

一般的な離職は仕事内容や待遇などの理由で転職する「自己都合」が退職理由になります。
自己都合で退職した場合は以下の条件を満たせば失業手当を受け取れるようになります。

【失業手当を受け取れる基本的な条件】

①失業状態であること
②働く意志と能力があること
③仕事に就くための転職活動をしていること
④離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あること
※以下の項目では、この条件を「基本的な条件」とします。



特定理由離職者となる場合

同じ自己都合による退職でも、以下に当てはまる人は「特定理由離職者」と認定され、失業手当を受け取れる条件が変わります。

  • 有期労働契約の更新を希望したが、認められなかった
  • 出産・育児により離職し、受給期間の延長措置を受けた
  • 両親の扶養や介護など、家庭の事情が急変した
  • 配偶者や扶養親族と別居生活を継続するのが困難となった
  • 特定の理由で通勤が難しくなった
  • 企業の人員整理などで希望退職者の募集に応じた

このいずれかに当てはまる理由で退職した人は、「基本的な条件」のうち④に該当する条件が以下のように変わります。

離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上あること

特定受給資格者となる場合

特定受給資格者とは、企業側から解雇された、企業が倒産したなどの理由で再就職の準備をする余裕なく離職せざるを得なくなった人のこと。この条件に当てはまれば、受給開始期間も変わるので、後の項目で詳しく説明します。
ここで変化する条件は、「基本的な条件」④の部分です。

離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上あること

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失業保険の受給期間について

前項目で説明した通り、失業の理由によって受給開始の日や期間が変わってきます。大切なことなので自分がどこに該当するのかよく把握してくださいね。

失業手当の所定給付日数

自己都合(一般の離職者)の場合、失業手当の給付日数は以下の通りです。ただし対象は65歳未満に限ります。

  • 被保険者期間10年未満……90日
  • 被保険者期間10年以上20年未満……120日
  • 被保険者期間20年以上……150日

退職理由が会社都合などの特定受給資格者では、給付日数は下表のようになります。


参考:ハローワークインターネットサービス

失業手当の給付開始日はいつ?

気になる失業手当がいつから給付されるかについては、退職理由によって異なります。

自己都合によって退職した場合は、失業手当の申請手続きを行ってから1週間の待機期間を経て3ヶ月後の給付開始となります。つまり退職後3ヶ月は収入がないということになりますので、注意しなくてはならないポイントです。

一方で、解雇や倒産など会社都合での離職は、失業手当の申請手続きから1週間の待機期間後、失業状態と認定されすぐに失業手当の給付が開始されます。

このように、離職理由は失業手当の開始時期にも給付される期間にも影響してきます。

失業保険の申請方法は?

失業手当を受給するにはまず申請を行わなければなりません。「基本的な条件」を満たしつつ、受給に必要な手続きを行いましょう。失業保険の有効期間は「離職日の翌日から1年間」なので、すぐに手続きをしてください。

もし申請が遅れたために受給期間内に1年を過ぎてしまったら、期限を越えた分は受け取ることができません。注意してくださいね。

【失業保険の申請に必要なもの】

  • 離職票(退職した会社から発行される)
  • マイナンバーカード(※1)
  • 印鑑
  • 証明写真(3㎝×2.5㎝)×2枚
  • 本人名義の貯金通帳orキャッシュカード(※2)

※1 マイナンバーカードがない場合は、以下のどちらかを準備
1)マイナンバー通知カードorマイナンバーの記載がある住民票
2)運転免許証など写真付き身元確認書類+公的医療保険の被保険者証or年金手帳など
※2 一部指定できない金融機関がある。離職票の金融機関指定届に金融機関による確認印があれば通帳は不要。

【ハローワークでの手続き】

①上記書類を揃える
②現住所を管轄しているハローワークへ行き、必要書類を提出。さらに雇用保険説明会の日時を決める
③雇用保険説明会へ参加する
④失業認定日にハローワークへ行き、失業認定申告書を提出する。(認定を受けるには、月に2回以上の求職活動が必要であり、実績を失業認定申告書に記載しなければなりません)
⑤失業手当の受給開始

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失業手当の金額と再就職手当

実際のところ、失業手当はいくらもらえるのでしょうか?また再就職できたらもらえる手当についても解説します。

失業手当の受給金額

失業手当の受給額は、給付日数と基本手当日額で計算できます。基本手当日額とは、1日分の給付額のこと。退職前にもらっていた給料がいくらかを調べて計算してみましょう。計算式は以下の通りです。

基本手当日額=賃金日額(退職前6ヶ月の賃金合計÷180)×給付率(50〜80%)

ただし、基本手当日額には上限額と下限額が設定されているので、詳しくは厚生労働省のサイトで確認してください。

再就職手当とは?

失業手当を受給中に再就職が決まったら、条件を満たす場合には「再就職手当」をお祝い金としてもらえます。この制度は「失業手当を満額受給するまでは再就職しない」という失業者を減らし、早期再就職を促すために設けられました。

再就職手当の受給条件は、以下の通りです。

  • 就職日前日までの失業の認定を受けた後の基本手当の支給残日数が、所定給付日数の1/3以上ある
  • 待機期間満了後の就職である
  • 1年以上の勤務が確実と認められる
  • 離職理由による給付制限を受けた場合、待機満了後1ヶ月間については、ハローワークまたは許可・届出のある職業紹介事業者の紹介により就職したものである
  • 離職前の事業主に再雇用されたものでない(離職前の関連会社、取引先なども含む)
  • 離職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職したく手当の支給を受けていない
  • 受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものではない
  • 原則として、雇用保険の被保険者資格を取得する要件を満たす条件での雇用である

尚、支給額は上記すべてを満たした場合、以下のようになります。

基本手当日額×所定給付日数の残日数×70%

ただし、支給残日数が所定給付日数の2/3以上の場合の計算です。支給残日数が1/3以上の場合、率が60%となります。

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コロナウイルス関連の最新情報

新型コロナウイルスによる失業者の増加、求職活動の長期化などが問題となっています。失業保険制度でも特例が設けられているので紹介します。

失業手当の給付日数が延長

失業手当の給付期間が60日(一部は30日)延長されるという対応措置が取られました。緊急事態宣言後だけでなく、その前に離職した人も対象となるので、以下の条件を満たすか確認してください。

  • 令和2年4月7日以前(緊急事態宣言前)に離職した人(離職理由は不問)
  • 令和2年4月8日〜5月25日に離職した特定受給資格者(※3)、特定理由離職者(※4)
  • 令和2年5月26日以降に新型コロナウイルス感染症の影響により離職を余儀なくされた特定受給資格者(※3)、特定理由離職者(※4)

※3 倒産、解雇などの理由により離職せざるを得なかった人
※4 労働機関が契約により定められており、更新希望をしても更新されず離職した人・転居、婚姻などによる自己都合で離職した人

尚、以下に該当する人は延長が30日となるので注意してください。

  • 35歳以上45歳未満で所定給付日数270日の人
  • 45歳以上60歳未満で所定給付日数330日の人

受給期間の最大3年延長

コロナ感染による原因で30日以上働けない場合は、本来の受給期間に働けなかった日数がプラスされます。
対象となるのは、本人の感染または感染の疑いがある(風邪症状や発熱、強い倦怠感、息苦しさなど)、濃厚接触者などに当たりハローワークへ来所できない、コロナの影響で子ども(義務教育学校、特別支援学校、幼稚園、保育所などに通学、通園の子どもに限る)の養育が必要となった人など。
給付日数の延長ではないため、働けなかった期間が失業保険給付の対象とはなりません。

自己都合退職でもすぐ受給できる

通常であれば待機期間を経て3ヶ月後からスタートする受給ですが、コロナの影響で自己都合離職した一般受給資格者を「特定理由離職者」とし、すぐに手当が給付されるようになりました。尚、この場合の自己都合とは以下の通りです。

  • 同居家族がコロナ感染し、看護や介護が必要となった
  • 本人の職場で感染者が発生、または本人もしくは同居家族に基礎疾患がある、妊娠中、高齢などの理由で自己都合退職した
  • コロナの影響で子ども(義務教育学校、特別支援学校、幼稚園、保育所などに通学、通園している)の養育が必要となったため

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まとめ

失業中の強い味方、失業手当。もらえる条件や金額、期間などをしっかり把握して転職活動に取り組みましょう!
コロナウイルス特例もあるので、自分が当てはまるかもと思ったら、ハローワークに相談してみることをおすすめします。失業保険の申請は「離職票をもらったらすぐに!」が鉄則ですよ!