日本の全企業数のうち、中小企業は99.7%を占めています。知名度の高い大企業に比べ、中小企業の採用活動は難しいことも多く、採用しても定着率が悪いとコスト面でも人材面でも悪影響となってしまいます。
中小企業が長期的に発展するためには、目先の施策だけではなく長く働いてくれる人材確保が急務ではないでしょうか。
そのためには働きやすい魅力的な職場作りが必要です。発展している企業では、どのような職場作りを行っているのでしょうか。働き方も多様化している中で、魅力的な職場の作り方を考えていきます。



参照元:経済産業省 

働きやすい魅力的な職場ってどんな職場?

まずは働く人にとってどのような職場が働きやすく、魅力的な職場なのかを見ていきましょう。

DMM WEBCAMPの調査によると、今の職場が働きやすいと答えた人は全体の69%。そのうち半数以上は人間関係を含む理由で働きやすさを感じていますが、その他の理由については男女で差がありました。

男性は「上下関係」、女性は「有給の取りやすさ」で働きやすいと感じているようです。
では、具体的に働きやすい職場の特徴を挙げてみましょう。

  • 人間関係が良好
  • 出産や育児に対する理解がある
  • 残業が少なく、有給が取りやすい
  • コンプライアンスが守られている
  • 働き方に自由度がある
  • 正当な評価がされ、仕事を任せてもらえる
  • 風通しが良い

これらの特徴から、働きやすいと感じる職場は確かに良い職場環境であると言えます。自社の現況を顧みて、客観的にどのような状態なのかを把握する必要があるでしょう。

参照元:DMM WEBCAMP

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働きやすい魅力的な職場に必要なこと

では、働きやすい職場に必要なこととはなんでしょうか。3つの観点から見ていきましょう。

雇用の管理

雇用管理とは、採用から退職までの一連の業務管理のことです。つまりは、採用管理・配置管理・昇進昇給管理が適切になされていることが必要となります。
それぞれの施策例を挙げてみます。

【採用管理】
事業計画に沿って、どのような人材を何人採用し、人材を確保するかを決め、そのためにいつ募集を始めるかなど、採用計画を立てていきます。
採用のための戦略を策定し、より具体的な採用媒体や採用方法を決定・実行します。

【配置管理】
従業員のスキルや適性を把握し、適切な人事配置の施策を行います。それによって最大限のパフォーマンスを得、業務効率と生産性を高めます。
同時に従業員の可能性を見出し、将来の配置に必要な人材育成も行います。
適切な配置管理によって、従業員のモチベーションの維持に繋がります。

【昇進昇格管理】
人材育成、キャリア形成、モチベーション向上などを目的として、適切に昇進や昇格を行うこと。賃金アップや待遇アップも考慮し、従業員がそこを目指したくなるような環境の整備と人材の育成を行います。

人材育成

雇用管理とも重複しますが、人材育成は企業が成長する上で欠かせない要素です。どんなに優秀な人材を採用しても、成長してくれなければ将来の重要なポストを任せることはできません。
早期退職を防ぐ意味でも、人材育成は欠かせないのです。

関連業務に関する資格取得や外部研修への参加、メンター制の導入など、人材育成に具体的な施策がない場合には検討してみましょう。

適切な人事評価

人が不満を持つのは、自分の能力や仕事が適切に評価されていないと感じるときです。まずは現在どのような人事評価をしているか、見直しをしてみましょう。
人事評価を行うメンバーが偏っていないか、評価基準は適切であり不平等ではないかなど、複数もしくはメンバー全員で意見を出し合ってみる必要があります。

働きやすい職場環境を作る方法

魅力的で働きやすい職場とはどのようなものかを踏まえ、具体的に働きやすい環境を作るための方法を紹介します。

オフィス環境の整備

1番わかりやすく、かつ整えやすいのがオフィス環境でしょう。上司から見て整っていても、部下から見れば不都合なことが多い環境かもしれません。
従業員全員に現在の職場環境についてアンケートを取るのも良い方法です。「ここをこうして欲しい」という具体的な要望をヒアリングし、できる範囲で少しずつ改善していくと良いでしょう。デスクの配置ひとつからでも変えていくことができます。

例えば休憩スペースを設けたら、社内コミュニケーションが円滑になるなど、思わぬ功を奏することもあります。

コミュニケーションの仕組み

働きやすい職場に良好な人間関係は必要不可欠です。そのためにはコミュニケーションの仕組みから考え直す必要があります。
人それぞれにコミュニケーションの取りやすいツールがありますから、選択肢をいくつか用意するとうまくいきやすくなります。

ただし「仕事においての報告は必ずこのツールに統一する」など、徹底すべきところは徹底しておきます。
直接話す、社内イベント、電話、チャットツール、WEB会議など、さまざまなコミュニケーション方法があるので、検討してみてはいかがでしょうか。

適度なワークライフバランス

ワークライフバランスとは、仕事と生活の調和のこと。個々のプライベートを大切にしながら仕事とのバランスが取れていて、かつどちらも充実していることが大切です。
ちなみに内閣府が掲げるワークライフバランスは以下の通り。

  • 就労による経済的自立が可能な社会
  • 健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
  • 多様な働き方・生き方が選択できる社会

参照元:内閣府男女共同参画局 

適度なワークライフバランスを実現するには、就業時間や残業、休日、給与、働き方など、さまざまな角度から自社の就業状況を見直していく必要があります。

働き方の選択肢

数年来、政府も働き方改革を進めてきており、さらに近年のコロナ禍によってテレワークやハイブリッドワークも一般的な働き方として確立されてきました。
テレワークは、時間や場所にとらわれず柔軟に働けるためワークライフバランスも取りやすく、出勤の時間やコストが節約でき、自由度の高い働き方が可能です。

介護や育児といった事情を抱えていても、在宅でなら働けるという人も多く積極的に導入している企業も増えています。オフィス出勤とテレワークを両方行うハイブリッドワークをする人も増加傾向にあり、業務によっては働き方の選択肢が増えてきたといえます。

テレワークにも向き不向きがありますから、従業員が働き方を決められるようにできると、さらに働きやすい職場となるのではないでしょうか。ただしそのための環境を危機管理の上からでもじっくり検討し、必要な施策をすることは不可欠です。

評価制度を見直す

テレワークの導入は推進されていますが、一方でテレワークをしている人が「正当に評価されているのだろうか?」という不安を抱くことも指摘されています。
働き方が多様化している今、評価制度も見直す必要があります。どの働き方を選択しても、正当に、平等に評価されるよう、公明正大な評価制度を作る必要があります。

また従業員が不安を抱かないよう、どのような評価制度であるかを明示するとよいでしょう。

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まとめ

魅力的な職場を作るには、まずどのような職場が魅力的で働きやすいのかを考える必要があります。従業員に迎合すればよいのではなく、働きやすい環境を整えることで、企業にとってもメリットが大きいことを踏まえて、良い環境作りを検討してみてください。
はたらくぞドットコムでは、よりよい人材確保のお手伝いをしています。