事務職は未経験から挑戦できる、将来性の高い仕事といえます。事務職はすべてのビジネスに必要なスキルを網羅的に学べるキャリアの「通過点」であり、「最適な土台」となり得るからです。
未経験であれば、未来の専門職や企画職への現実的な「入り口」となります。
この記事では、事務職からどのように専門性を高め、キャリアを広げていけるのか、具体的に解説します。

キャリアを広げる!事務職の3つの強み

事務職を単なるサポート役ととらえるか、キャリア形成のための基礎固めととらえるかで未来が変わります。事務職が持つ3つの強みについてみていきましょう。

会社全体を俯瞰できるビジネス視点の育成

事務職は売上計上から経費の精算、採用プロセスまで、会社の全機能を俯瞰的に見る機会が多い職種です。単に上司から指示された仕事をこなすだけでなく、「なぜこの書類が必要なのか?」「この数字は何に影響するか?」を意識して仕事をすることで、経営的な視点が身につきます。

どこでも通用する汎用スキルの習得

現代のビジネスでは、どの業界・どの業種であっても基本的なPCスキルが求められます。事務職では、Excel関数やデータ処理など、さらに高いPCスキルが身につけられます。

さらに事務職に必要な、複数のタスクを同時に処理するマルチタスク、進捗管理能力なども全職種の基本となるスキルです。
ほかにも社内調整や業者対応などで磨かれる、円滑なコミュニケーションスキル、対人折衝能力も、どこに行っても通用するスキルとなるでしょう。

専門職への実務的な知識の習得

事務職は会社全部の部署と関わりのある部署です。特に経理や人事など、専門的な知識が必要な部署と実務を通して深く関わることは、生きた知識を習得できるチャンス。
理論だけを学ぶのではなく、実践的に学べることが大きな強みとなります。

事務職から専門分野へステップアップする具体的なルート

未経験からはハードルが高いと思える専門職。事務職からステップアップするための、職種ごとのキャリアパスの例を紹介します。

営業事務→フロント・企画職

顧客と直接交渉し、会社やサービスの最前線となるフロント職には、営業やインサイドセールスなどがあります。営業事務での営業サポートや顧客対応経験を活かして、提案や契約を担う営業職や、営業企画へのキャリアパスが考えられます。

受動的な仕事が多かった営業事務から、数字に責任を持つことへシフトし、自ら数字を稼ぐために能動的に考え行動します。

経理事務→管理部門

経理部で事務をしている場合には、経理部の管理部門へのステップアップができます。経験を深めることで、月次・年次決算、税務処理などの難易度の高い業務を担当して、経理主任や財務担当になるなどの可能性があるでしょう。

また会社の予算策定や新規事業の採算性分析など、経営層に近いマネジメント職へのシフトも考えられます。会社全体のコスト構造や損益分岐点を常に意識し、分析能力を高めていきましょう。

人事・総務事務→各分野のスペシャリスト

人事部であれば、採用や教育のスペシャリストを目指すルートがあります。採用・教育制度の設計・運用、研修企画など、会社の成長に直結する分野となります。

総務部の場合は、会社の資産やリスク管理、職場環境改善のプロフェッショナルとして、全社的なプロジェクトを推進。リスクヘッジの視点を持ちながら、PDCAサイクルを回すファシリティマネジメントを行うスペシャリストを目指せます。

中小企業→大企業・専門職へ転職

中小企業では、大企業や専門職では経験できない、会社全体の広範な業務を実務的に経験することができます。この経験を武器に、大企業で特定業務の深い専門性を磨くためのキャリアチェンジができる可能性があります。

また培ったスキルで、より高度な専門領域を持つコンサルティング会社や士業事務所などへの転職も視野に入れることができるでしょう。

キャリアアップ実現のために身につけたいスキル

事務職からのキャリアアップを実現するために、意識的に取り組みたいスキルを紹介します。

IT・デジタルリテラシー

事務職ではExcel・Word・PowerPointに加え、業務で使用している自社ソフトが扱えれば問題ありません。しかしキャリアアップを目指すなら、データ分析ツールやプログラミング、クラウドサービスの活用など、より高度なデジタルスキルを身につけることが重要です。

Excel内の操作を自動化するVBAや、データの取得・整形・変換を効率的に行うPower Queryなど、業務の自動化ができるレベルを目指すと良いでしょう。

資格の取得

資格が必須ではない職種であっても、資格があれば知識やスキルがあることを証明できます。また資格取得のために勉強したことは、間違いなく自分の武器となってくれます。
経理・財務であれば日商簿記検定2級以上、FASS検定など実務直結の資格がおすすめ。

人事・労務でスペシャリストを目指すなら、社会保険労務士が良いでしょう。難関ですが将来独立できる可能性もあります。
また外資系・グローバル企業ならTOEIC、高いPCスキルの証明ならMOSなど、未来のキャリアにつながる資格の取得を目指しましょう。

ヒューマンスキル

どの業界、どの職種であっても、今こそ必要とされているのがヒューマンスキルです。AIの発達により業務が効率化され、人の仕事が減ったからこそ、人にしかできない仕事が注目されています。

コミュニケーション能力はもちろん、電話やメールの応対、会議での発言、顧客との対話などビジネスマナーも求められます。
また関係部署や顧客との連携、社内外との調整をスムーズに行うスキルも事務職でしっかり磨けます。

未来のキャリアへ繋がる事務職の働き方

今から事務職に挑戦したい、現在事務職として働いている人が、キャリアアップするために意識したい働き方とはどのようなことでしょうか。

ステップ1:業務の内容に意味を見出す

まずは日々行っている業務を「指示されたから」「単なる伝票処理」として見ることをやめましょう。
この伝票はどのような意味があり、なぜ処理する必要があるのか、取引先とどのような仕事をしたから必要な業務なのか、といったことを意識してみましょう。
会社や仕事のしくみがわかりだすと、経営そのものが見えてくるようになります。

ステップ2:社内外にロールモデルを見つける

社内や取引先などに、憧れの上司や先輩はいませんか?将来、自分もあのように働きたいというロールモデルがいると、目標への道筋が見えやすくなります。
もし具体的な人物がいなければ、自分で理想の働き方を思い描いてみましょう。

ステップ3:社外での市場価値を確認してみる

今の自分の価値を転職エージェントなどに相談して、他の業界や企業で確認してみましょう。少し怖いことかもしれませんが、市場における自分の価値を再認識することで、自分の武器や足りないものが明確になります。

【全国版】求人を探す
<都道府県を選ぶ>

まとめ

事務職は部署のサポート役ばかりではなく、会社を支え、自分の未来のための経験値を得る場でもあります。事務職はビジネスの基盤ですから、キャリアアップの可能性は無限大。明確な目標を持って目指せば、未経験からの事務職挑戦であっても、十分にキャリアアップできます。
はたらくぞドットコムでは、事務職からのキャリアアップを応援しています。気軽にご相談ください。