「事務職=女性向け」というイメージがありますが、実際には男性の活躍も増えています。男性の事務職には営業や接客業からの転職例も多く、社会人経験を活かせる仕事です。
ここでは事務職の魅力と、男性が挑戦する上でのポイントを紹介します。
事務職はスキルや適正で評価される時代
事務職は女性のイメージが強くあります。その理由と、現代での評価の違いを解説します。
歴史的な背景
かつて外で働くのはほとんどが男性でした。第二次世界大戦後、女性の社会進出が本格的に始まりましたが、男性社会だった職場で比較的女性が就きやすい職種として事務職が定着。
体力的な負担が少なく、家庭との両立がしやすいという背景があったようです。
また、当時の女性は結婚や出産を機に退職することが一般的だったため、企業が責任の重いポジションに女性の配置をためらったということもあります。
令和の事務職事情
1985年「男女雇用機会均等法」の施行により、性別を理由とした雇用差別が禁止されました。女性の社会進出はますます進み、女性も総合職として活躍するようになります。
女性のイメージが強かった事務職にも男性が就くことが一般的となり、近年では男女の区別なく事務職でさまざまな人材が活躍しています。
スキルや適正で評価される
事務職といっても範囲が広く、体力仕事を含む庶務や、営業部門を支える営業事務や、ロジカルやデータ処理など多岐にわたります。
現在の事務職はスキルや適正で評価されるため、男女関係なくやりがいを見出せる職種です。
また近年は働き方も変化しており、事務職は勤務時間や休日など比較的安定していることから男女問わず人気の職種になっています。テレワークの普及によりさらに働きやすさが向上しています。
事務職の仕事内容

事務職にもさまざまな分野があります。一般事務、営業事務、総務・人事・経理系などが事務職と呼ばれますが、会社の運営を支えるバックオフィスとして、なくてはならない職種です。
一般事務
一般事務は業務内容の幅が広く、企業や部署によって仕事内容がまったく異なることがあります。
- 電話・メール応対
- 来客応対
- 書類作成
- ファイリング
- データ入力
- 伝票処理・整理
- 郵便物の発送・仕分け
- 備品管理・発注 など
営業事務
営業担当者が営業活動に集中できるよう、それに関わる事務的なサポートを行います。
- 書類作成
- データ入力
- 電話・メール応対
- 来客対応
- 顧客管理
- スケジュール調整 など
総務・人事・経理系
総務・人事・経理はそれぞれ独立した部署であり、担当する分野が明確に異なります。
総務は会社全体の事務に関わり、人事は従業員に焦点を当てた業務、経理は会社の収益や資産を管理する部門です。
それぞれの主な業務内容は以下の通りですが、人事や労務などの部署が存在しない企業では、総務が総括して行うことがあります。
【総務】
- オフィス機器(PC、コピー機など)の管理
- 事務用品の補充
- 建物全般の管理
- 電話応対・来客応対
- 給与計算
- 動産・不動産の管理
- 株主総会業務 など
【人事】
- 採用活動
- 人材教育
- 評価制度の作成
- 人事異動に関する業務
- 社会保険手続
- 勤怠管理
- 給与計算 など
【経理】
- 振込・入金の管理
- 損益計算書の作成
- 決算書類など必要書類の準備 など
事務職の魅力
事務職の仕事は幅が広く、分野によって専門性の高いものもあります。
特に経理や財務、IT部門などは専門知識を武器にキャリアアップの可能性が高くなります。
また事務職は比較的勤務時間が安定しており、ワークライフバランスを取りやすい職種です。時期によって繁忙期はありますが、プライベートを充実させた働き方がしやすいでしょう。
事務職は転勤や職種間の異動も少なく、安定して長く働ける環境も魅力です。
資格の取得や専門性を高めることで、キャリアアップを目指すこともできます。例えば、一般事務から営業事務、総務・人事を経て総務部長などのキャリアパスは、十分に目指せます。
将来的にコンサル的な立場や、組織運営を支える経営陣としてのポジションも十分に狙えるでしょう。
未経験から事務職に挑戦するためのポイント

事務職はまったくの未経験からも挑戦しやすい職種です。ただし必要とされるスキルはあるので、チェックしておきましょう。
基本的なPCスキル
現代の事務職でPCを使わないものはないといっても過言ではありません。まったくPCを触ったことがない、タイピングがまったくできないのは問題なので、基本的なスキルは身につけておきましょう。
Word、Excel、メールの送受信は基本です。まずはExcelでの関数や表作成、PowerPointの基本操作を身につけましょう。
場合によっては、マクロ(PC上の一連の操作を自動化する機能)やVBA(Microsoft Office 製品の機能を拡張するためのプログラミング言語)を求められることもあります。
資格をアピール
資格とは、その分野の知識とスキルがあることを証明するものです。学生時代や前職で取得していた資格があれば、アピール材料となります。
事務職で役立つスキルは、以下のようなものがあります。
- MOS
- ITパスポート試験
- 日商PC検定
- 日商簿記
- ビジネス会計検定
- 電子会計実務検定
- 秘書検定
- TOEIC
- ビジネス文書検定
- 文書情報管理士
- 社会保険労務士 など
前職の経験をアピール
例えば営業や広報、渉外、接客業など、対外的な業務は、一見事務職とはまったく逆向きの職種に感じます。
しかしながら対外的に培ったコミュニケーション能力や、スケジュール調整力、アフターフォローなどの気遣いは、社内の各部署と関わりのある事務職でも大いに活用できるスキルです。
前職の経験をアピールし、事務職でも活躍できることをアピールしましょう。
他職種からの転職で活かせるスキルは?

ほかの職種から事務職への転職で活かせるスキルには、どのようなものがあるでしょうか?面接でのアピールポイントにもなります。
営業職から事務職への転職
営業は顧客との交渉や調整を多数行ってきた経験があります。特にコミュニケーション能力は欠かせないため、スムーズな人間関係を築くことは得意といえるでしょう。
職場の雰囲気作りや円滑な人間関係形成に、営業で培ったスキルは十分に活かせるでしょう。
また営業は常に数字を扱いますので、事務職においても利益の追求の思考があります。単なる数字管理や報告資料作成だけでなく、会社全体の損益を考えた仕事ができるでしょう。
販売・接客業から事務職への転職
消費者と直接関わることの多い販売や接客業では、顧客対応スキルが磨かれています。事務職での来客応対や電話・メール応対は欠かせない業務なので、培われた顧客対応スキルが活かせます。
販売・接客業では、段取りやマルチタスク処理能力が必要なので、そのまま事務職でも強みとなります。
実際に「人と関わる力」は、さまざまな部署と関わる事務職でも大いに重宝されるでしょう。
まとめ
事務職は本当に幅が広く、決して女性だけに開かれた仕事ではありません。営業や接客など、前職で培った経験も武器にできます。
安定した働き方をしたい男性にとっても魅力的な事務職。未経験からでも挑戦しやすいので、転職の際には候補に入れてみましょう。
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