求人票に書くキャッチコピー、どのように書いていますか?

短い文章の中に、ギュッと言いたいことを詰め込むキャッチコピーですが、これが人の目に止まるためにはかなり重要なのです。

そこで今回は、現役ライターがキャッチコピー作成の考え方や手順、魅せるための手法や、使い分けについて解説していきます。

頭を悩ませる求人票の原稿作成ですが、考え方からしっかりアプローチしていけば、文章が苦手でも作り方がわかってきますよ!

ぜひ参考にしてみてくださいね!

キャッチコピー作成の手順

ゴールまでの手順

それでは早速、キャッチコピーを作成する時の手順を見ていきましょう。

求人票におけるキャッチコピーの役割とは?

キャッチコピーをいきなり作るより、どのようなキャッチにしたら良いか考えることの方が大切です。

キャッチコピーの役割は、10〜30文字程度の短い文章で相手に1番伝えたいことを表すためのもの。

商品などの広告であれば、「??」となるような奇抜なコピーでも成功することがありますが、求人票では意味がわからないコピーはスルーされてしまいます。

キャッチコピーで、その後の求人内容を見てみよう、チェックしてみようと思わせられるかどうかが決まってきます。

コンセプト作り

ブロックを持ち上げる手

キャッチコピーを作る前に、まずコンセプト作りが重要になってきます。コンセプトとは、この求人広告全体を一貫した観点でとらえる考え方のこと。

コピー作りで困ったり迷ったりした際には、コンセプトに立ち戻ることでブレない求人票を作ることができます。所謂、求人広告全体の土台となるのがコンセプトということですね。

コンセプトを作るには、

  • ターゲット
  • 自社の強み
  • ニーズ
  • 募集背景

の4本柱で考えていきましょう。

ターゲットとは、今回の募集で採用したい人物像のこと。ターゲットをできるだけ明確にしておくと、どのような文章を書けばいいか自然とわかってきますね。

そしてターゲットにアピールできる自社の強みを書き出してみましょう。給与、休日、職種、働き方、売上げ実績やキャリアアップ、未経験からの成長や社風など、何を前面に打ち出していくか決めていきます。

自社のアピールポイントがわかったら、ターゲットのニーズとマッチングしてみます。自社が打ち出したいポイントがターゲットのニーズと合っていなければ、その求人に応募は集まりませんので、しっかりマッチングしていきましょう。

さらに、今回募集する背景がどうなのかも明確にします。
例えば「新規事業のための増員」なのか「退職者が出たための補充」なのかで採用の方針も変化しますから、必ず抑えておきましょう。

コンセプトから魅力ある文言を考える

上記4つのポイントに焦点を当てていくと、何をアピールすれば良いかが見えてくるはずです。
後はそれに沿った文言を考えて選ぶだけ……、なのですが、そこが1番難しいとも言えますね。

求人の場合、カッコいい、お洒落、うまいといったキャッチコピーは必要ありません。大切なのは、コンセプトに沿ったアピールポイントを『相手目線』で考えること。

1度考えた文章は、必ず何度も読み返して「まったく事情を知らない人が読んだらどう受け取るか?」という視線を持って考えると、伝わる文章になります。

キャッチコピーの手法

たくさんのメモが貼られた壁を見る男性

コンセプト作りがうまくいけば、ほぼキャッチコピーもうまく行ったも同然ですが、文章には「技」もありますので、求人票に有効な手法を紹介します。

逆説的、短所、煽りでインパクトを与える

これは例えば、「○○しすぎ」「オタク」「○○で大丈夫?」といった、一見マイナスに見える文言で目を引き、その次の文章を読んでみたいと思わせる手法です。

インパクトを狙うため、できるだけ短い文章にした方がより効果的。
堅いと思われている企業が打ち出すことで、親しみやすいイメージを持ってもらう効果も。

ただし、企業によってはイメージが合わないこともあるので、コンセプトと付き合わせてよく練ってみましょう。

具体的な数字を出す

人は具体的に数字を見せられると納得の度合いも大きくなります。

例えば「5年連続黒字です」と言われるより、「5年連続対前年比150%達成」と言われた方が、すごさがわかりやすいのですね。コピーの長さも、一目で認識できる文字数は「13文字まで」と言われていますが、具体的な数字を出されると妙に納得しませんか?

会社のアピールポイントで、数字で表せるものがあり、一般的に見てそれがスゴイ!と思えるものであれば、この手法は有効です。

ハッキリ、キッパリした表現を使う

日本語にはあいまいな表現が多いものです。しかしキャッチコピーとなるとあいまいさは「よくわからない」ものに。

例えば社風を表現するのに「風通しの良い会社です」と書かれていても、今ひとつどのような社風なのかピンときませんよね。

そこで「社長もデスクを並べて仕事をしており、直接意見を言ったり、質問したりできる」と具体的に書いてあれば、求人表を見た人が容易に状況を想像できます。

何となく良さそうな文言を並べるのではなく、具体的にハッキリと表現した方が、求職者には伝わりやすくなります。

オリジナリティを出そう

せっかくキャッチコピーを考えたとしても、どこかの会社も出しているようなありきたりで似たり寄ったりのキャッチでは、求職者が見過ごしてしまいます。

同業他社の求人票をいくつも見て、他にないポイントを探してみましょう。求人内容でオリジナリティを出すことは難しい場合もあるので、キャッチコピーでオリジナリティを出し、他の求人票との差別化を図ります。

特別なアイデアやセンスが必要というよりも、ちょっと違う視点、ちょっと違う角度といった物の見方や考え方で、オリジナリティが出せます。

ターゲットによる使い分け

求人表の内容はアルバイト募集の時と、正社員募集の時とで違いますよね?それと同じで、キャッチコピーもターゲットによって使い分けましょう。

正社員の募集であれば、その会社の将来性や成長は重要なポイントですが、アルバイトにはあまり響きません。同様に、給与や待遇についても違いがあるので、それぞれが求めているポイントを下にまとめました。

アピールすべきポイントを間違うと、当然ながらキャッチコピーはターゲットに全く響かないものになってしまうので、注意しましょう。

【正社員の場合】

  • 企業としての将来性、成長性
  • 給与、賞与、昇給(想定年収や安定性)、休日
  • 自身のスキルアップ、キャリアアップ、専門性
  • 働き方(残業、テレワーク可能か、有給の取りやすさ、産休育休など)
  • 福利厚生
  • 転勤の有無
  • 社風

【アルバイトの場合】

  • 時給の高さ
  • シフトの自由度
  • 社会保険加入かどうか
  • 未経験可、正社員登用ありなど
  • 交通費の有無
  • 社風の良さ
  • 福利厚生

まとめ

相手に響く、伝わるキャッチコピーを書くのは難しいものですが、手順を踏んでしっかりと考えていけば、プロでなくとも良いキャッチコピーを作ることができます。

想像力を働かせて、本当に自社に入社して欲しい人物像をハッキリと描き、相手の視線で文章を考えてみてください。そのためには、土台となるコンセプト作りが重要です。

採用活動を成功させる鍵でもあるので、求人票作成の参考にしてみてくださいね!