かつて営業職は足で稼ぐものであり、外回りや対面での商談が通常でした。しかしながら、働き方改革やデジタル化などにより、現在は営業職も在宅で行うスタイルが普及しています。
この記事では、在宅営業の主流である「インサイドセールス」を中心に、具体的な仕事内容や向いている人の特徴、メリット・デメリットまで解説します。
営業職は在宅でできるの?
結論からいえば、在宅で営業職は可能です。この数年間でZoomやGoogle Meetといったオンライン会議ツールをビジネスで活用するのは一般的になりました。
営業活動でもこのオンライン会議ツールを使用した営業活動が浸透してきています。しかも、在宅のまま完結する営業スタイルもあり、その中心となるのが「インサイドセールス」と呼ばれるものです。
インサイドセールスとは?
インサイドセールスは、電話・メール・ビデオ会議ツールなどを活用し、社内(インサイド)から顧客にアプローチする営業手法のこと。従来の営業との違いや主な役割を紹介します。
インサイドセールスの仕事内容
在宅で行うインサイドセールスの一般的な仕事内容は、以下の通りです。
- 見込客(リード)への電話連絡・メール送信:マーケティング部門などが獲得した名簿に対し、電話やメールでアプローチします。基本的には先方が資料をダウンロードしたなどのアクションを起こしており、そのフォローアップが中心となります。
- ヒアリングと課題抽出:顧客の現状の課題や予算、導入時期などをヒアリングします。
- オンライン商談:オンライン会議ツールを使用し、画面共有をしながら資料やデモ画面で商品・サービスの説明を行います。
- CRM(顧客管理システム)への入力:顧客管理ツールを使い、顧客とのやり取りを詳細に記録。CRMでチームへの情報共有が可能となり、より戦略的なアプローチに役立ちます。
従来の営業との違い
これまでの営業は「フィールドセールス」と呼ばれるスタイルで、顧客の元へ直接訪問して商談を行うというものでした。
一方、「インサイドセールス」とは電話やビデオ会議ツールなどによって商談を行うため、客先へ訪問しません。移動時間もゼロとなり、効率的に多くの顧客とアポイントを入れることができます。
インサイドセールスの主な役割
インサイドセールスでは、単に商品やサービスを売るだけではありません。資料請求や見積り依頼のあった「見込客」に対し、定期的な情報提供を行って、興味関心を高めます。
その中で顧客の課題をヒアリングし、確度が高まったタイミングでフィールドセールスに引き継ぐ場合もあります。
また商材によっては、オンライン会議のみで契約まで完結することもあり、そのような業界では在宅営業が多くなっています。
在宅営業が多い業界
在宅での営業職(インサイドセールス)が向いている業界には、特徴があります。どのような業界に多いのか見ていきましょう。
IT・SaaS業界
ソフトウェアやクラウドサービスは、足を運んで実物を顧客に見せる必要がありません。オンライン会議ツールを使用し、画面共有で機能を紹介することでプレゼンテーションが完結するため、在宅営業が最も進んでいる業界といえます。
広告・メディア業界
Web広告の運用提案や求人広告の営業など、データに基づいた提案が中心の分野でも、インサイドセールスの導入が進んでいます。
広告の出向が決まった後も、制作の打合せや取材などまで、すべてオンラインで完結する場合もあり、遠方の顧客も獲得できます。
人材サービス業界
昨今では就職活動の面接もオンライン化されていますが、人材サービス業界でもオンライン化が進んでいます。キャリアアドバイザーや企業向けの採用コンサルティングなどでも、オンライン面談が一般的になりつつあり、交通費や移動時間が削減できます。
在宅営業に向いているのはどんな人?

在宅営業は自由度が高い反面、オフィス勤務とは異なる特性が求められます。
自己管理ができる
在宅は上司などの目が届かないため、自分でタスクに優先順位をつけ、スケジュールを自分で立てて目標を達成できるスキルが必要です。
時間も方法も自由なだけに、その使い方を自分で組立て管理できる人は在宅営業でもしっかり成果に繋げることができるでしょう。
文章でのコミュニケーションが得意
チャットツールや電話、ビデオ会議だけのやり取りでは、より丁寧かつ迅速・正確なやり取りが重要となります。
対面であれば雰囲気や意思の疎通ができることでも、テキストだけのやり取りが多くなれば、相手の感情が読み取れないのです。
そのため、対面よりも丁寧にスピーディにミスのない文章でのコミュニケーションが得意な人は向いています。
ITツールを使うのが得意
在宅営業では、オンライン会議ツール、チャットツール、CRM(Customer Relationship Management)、SaaS(Software as a Service)ツールといったITツールを使いこなす必要があります。
顧客に合わせたツールを使用するケースも多いため、新しいツールを自ら学び、使いこなせるようになる好奇心・探究心が求められます。
ヒアリング能力が高い
文字だけ、画面越しのやり取りが多くなる在宅営業では、対面より空気感を察知しにくくなります。やり取りを通じて意図を汲みとるスキルの高さが必要です。
実際に顔を合わせない分、一層誠実に対応することが信頼を得ることにつながります。
在宅営業のメリット・デメリット
在宅営業は多くのメリットもありますが、デメリットもあります。デメリットも含めて自分に合うかを見極めていきましょう。
在宅営業のメリット
テレワークと同様に、在宅営業では通勤時間や客先への訪問時間がほぼなくなります。空いた時間をさらに多くの営業に使ったり、自己研鑽やプライベートな時間に充てることができます。
また客先に出向く必要がないため、居住地にも縛られません。地方に住みながら都心の企業で働くという選択肢も可能です。
在宅営業のデメリット
在宅であっても営業職なので、人と会話することがまったくない訳ではありません。しかしちょっとした同僚との雑談や、成約が取れたときの喜びを分かちあうことができないため、モチベーション維持が難しく感じる場合があります。
家と職場が同じになるため、オンオフの切り替えがうまく行かず、深夜まで仕事をしたり、逆に仕事に取りかかれなかったり、休日でも仕事をしてしまうなどといったリスクがあります。
またインターネットを駆使するため、自宅に安定したネット回線やWeb会議に周囲の声や雑音などが入らない環境づくりが必須です。
まとめ
営業職の在宅ワークは、単に一時的に流行しているだけでなく、ビジネスの効率化を追求した結果生まれた、これからのスタンダードな働き方です。
特にインサイドセールスは専門性が高く、市場価値も上がりやすい職種といえます。まずはインサイドセールスに必要なITスキルや、自律的な働き方に適応できそうか検討してみましょう。
はたらくぞドットコムでも、未経験からの在宅営業職を掲載しています。ぜひ検索してみてください。
