従来、「事務職=オフィスに出勤して行うもの」という認識でしたが、新型コロナウイルスの流行や企業のDX推進により、働き方も大きく変わりました。
この記事では、在宅ワークでできる事務職について解説します。在宅ワークの事務職でどのような可能性があるのか、必要スキルやメリット・デメリットなどを紹介します。
在宅ワークができる代表的な事務職

在宅ワークが可能な事務職は多くありますが、特に求人が多い代表的な事務職を紹介します。
一般事務・営業事務
求人が最も多く、在宅ワークへの移行が進んでいる事務職です。
【主な仕事内容】
- 資料作成(Word, Excel, PowerPoint使用)
- データ入力、集計、ファイリング
- メールや電話、チャットでの来客・顧客対応(インサイドセールス補助含む)
- 備品管理、郵送物対応(週に数回出社が必要な場合もあります)
経理事務・財務事務
高い専門性が求められますが、時給や給与も高い傾向がある事務職です。
【主な仕事内容】
- 伝票処理、仕訳入力
- 請求書、領収書の発行・管理
- 月次・年次決算の補助業務
- 会計ソフト(弥生会計、freee、クラウド会計など)の操作
人事・労務事務
企業にとって重要なバックオフィス業務であるこの分野の事務職は、従業員の採用や管理に関わる役割を果たします。
【主な仕事内容】
- 採用活動のサポート(書類管理、面接日程調整など)
- 従業員の勤怠データ管理
- 給与計算、年末調整の補助
- 社会保険、労働保険の手続き補助
Web系事務・IT事務
Webサイトの運営会社やIT企業で需要が増加している職種で、この分野で未経験からでもチャレンジしやすいです。
【主な仕事内容】
- Webサイトの簡単なテキスト更新、画像差し替え作業
- SNS(X, Instagramなど)の運用サポート
- 社内システムのデータ入力、操作方法のサポート
在宅ワーク事務職に求められるアクション・スキル

在宅の事務職の業務内容は、基本的にオフィスで行っていたものとさほど変わりはありません。しかし、働く環境は自宅となるため、仕事の進め方は大きく変化します。
従来の事務職との最大の違いは、「情報共有の方法」。オフィスなら上司や先輩、同僚にすぐに聞けたことでも、在宅ではチャットや電話で解決しなくてはなりません。
そのため「何を」「いつまでに」「どのように進めるか」を明確に伝え、確認し、確実にやり遂げる能力が重要になります。
どのようなアクション・スキルが求められるのか、具体的に説明します。
【業務内容別】求められるアクション・スキル
●データ入力・資料作成
スケジュール厳守と正確性が求められます。指示されたフォーマットを逸脱しない統一性も必要です。
●メール・チャット対応
迅速なレスポンスと、対面以上の丁寧なビジネスマナーが必要。対面ではないからこそ、感情や意図を正確に伝える文章力が求められます。
●会議・打合せ
事前の資料準備と、Web会議ツールの操作スキルが必須です。事務職であってもカメラオンでの参加を求められることも多くあります。
●経理・人事関連
情報セキュリティの徹底が必須です。オフィス外でデータを取り扱うため、個人情報や機密データ漏洩に細心の注意を払います。
【モデルケース】在宅事務職の1日
出社が不要になる分、時間を自分でマネジメントできるのが在宅ワークの魅力です。1日のモデルケースを見てみましょう。
- 9:00 オンライン朝礼、タスク確認:チームとの情報共有を密にする
- 9:30 集中業務(資料作成など):連絡が少ない時間に重要度の高い業務を片付ける
- 12:00 休憩(自宅でランチ):通勤時間がない分、休憩をしっかり取る
- 13:00 メール対応、データ入力、会議:チームメンバーとの連絡や定例会議に参加
- 17:00 翌日の準備、日報作成:タスクの進捗を報告し、業務を可視化する
- 18:00 業務終了:仕事部屋から離れ、オフに切り替える
在宅ワークの事務職でよく使われるツール
在宅ワークでは自己管理はもちろん、離れたチームとの連絡ツールなどが必須です。一般的によく使われるツールを紹介するので、ある程度の使い方を知っておくといいでしょう。
Word・Excel・PowerPointなどのオフィスツール
マイクロソフトオフィスのWord・Excel・PowerPointは、通常のオフィス勤務であっても必須のツールです。
在宅でももちろん頻繁に使用しますので、使えるようになっておきましょう。
Zoom、Google MeetなどのWeb会議ツール
ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsなど、Web会議ツールは遠隔で業務を行う上で必須です。自社以外の取引先などともWeb会議や打合せなどを行う場合には、相手に合わせたツールを使用することもあるため、ある程度は扱えるようになっておきましょう。
Chatwork、Slackなどのチャットツール
基本的な内部連絡は、ほぼチャットツールで行われます。ChatworkやSlackなど一般的なチャットツールの使い方を覚えておきましょう。
Googleドライブ、Dropboxなどのクラウドストレージ
社内や取引先とファイルを共有したり、複数人でドキュメントを編集したりする際に使用されます。仕事内容にもよりますが、在宅であれば使用頻度も高くなります。
Trello、Asanaなどのタスク管理ツール
在宅ワークはタスク管理が命です。複数人と協同でタスクを進行する場合もあるため、タスク管理ツールを使用する場合もあります。扱い方に慣れておくとよいでしょう。
在宅事務職のメリット

在宅で事務職を行うことのメリットを紹介します。
通勤時間がゼロになる
在宅ワークは自宅で業務を行うため、通勤が必要ありません。通勤にかかっていた時間は丸ごと自分の時間として使えるため、睡眠や趣味、家族との時間を充実させることができます。
満員電車などでストレスを感じることもなくなるでしょう。
仕事と家事を両立しやすい
在宅ワークは家にいながら仕事ができるため、昼休みなどの休憩時間に家事を済ませることができます。仕事と家事を柔軟に調整できるため、子育てや介護などとも両立しやすいでしょう。
環境や服装など自由度が高い
Web会議などで画面に映る機会もありますが、オフィスワークに比べると服装やメイクなどの自由度が高くなります。またオフィス環境に縛られないため、自分が集中しやすい環境を自由に作ることも可能。
音楽や温度など、自分の快適な環境で仕事をすることができます。
在宅事務職のデメリット
在宅ワークはメリットも多い反面、デメリットもあります。デメリットは自分に向いているかの判断材料にもなりますので、しっかり把握しておきましょう。
オン/オフの切り替えが難しい
自宅が職場となるため、「仕事に取りかかるのが遅くなる」「ついダラダラといつまでも仕事をしてしまう」「休憩時間が長くなる」など、オンとオフの切り替えが難しくなります。
自分なりに時間などでキッチリ区切り、自己管理をすることが大切です。
孤独感や疎外感を覚える
毎日自宅でひとりでPCに向かっていると、孤独感や疎外感を覚えることがあります。チャットなどでチームと会話はしても、オフィスワークと比べると言葉を発する機会が激減するため、在宅ワークが長くなると孤立したような感覚に陥ることもあるようです。
家族がいる場合でも、日中の寂しさを覚えるケースがあるので、自分に向いているかよく検討しましょう。
運動不足になりがち
通勤は思った以上に普段の運動になっています。在宅ワークではそれがほぼなくなるため、運動不足になりやすくなります。
血行不良や筋力の低下、肥満などのリスクを避けるためにも、定期的に散歩するなど、意識的に体を動かす機会を作りましょう。
まとめ
リモートワークが増加傾向にある中、事務職にも在宅ワークが浸透してきました。基本的な業務内容はオフィスワークと変わりませんが、変わった部分もあるので把握しておきましょう。
在宅ワークにはメリット・デメリットもあるため、自分に向いているかを見極めることも大切です。
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