複数の企業から内定をもらったら、嬉しいことですよね。しかし同時に複数の会社に入社することはできませんから、行く会社を決めたら、後は断ることになります。
今回は、内定辞退をする時期や連絡の方法、よくあるトラブルについて解説していきます。
具体的な例文で、内定辞退の連絡方法も説明します。失礼のない伝え方や、引き留められた場合の対処の仕方などについても紹介しますので、就活中の人は参考にしてみてくださいね。



内定辞退はいつまでにすればいいの?

内定をもらってから辞退するまで、どのくらいの期間の猶予があるのでしょうか?一般常識的な観点からと、法的な観点から説明します。

内定から2〜3日以内がベター

内定辞退が決まっているのであれば、内定をもらってから2〜3日で返事するのが一般的なマナーです。早ければ早いほど良いでしょう。
なぜなら、企業にとって内定辞退者が出た場合、次の対策を講じる必要があるからです。例えば、ほかの応募者に不採用通知を出してしまった後に内定辞退が出ると、また最初から求人をしなければならない事態にもなりかねません。
企業も時間や費用をかけて採用活動をしているので、迷惑になるような行為はできる限り避けましょう。

1週間以上かかるなら返答期限延長を

内定が出た時点でまだ第一志望の会社の合否がわかっていない場合など、どうしてもすぐに返事ができないこともあります。そのような場合は、返答期限の延長を申し出てください。
1週間以上待ってほしいなら「○月○日まで」と、期限を切ってお願いしましょう。待った上に内定辞退ということを嫌う企業もあるので、1週間以上かかる場合、内定取り消しの覚悟も必要です。

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内定辞退の連絡方法

内定辞退は誰に、どのような方法で連絡すればよいのでしょうか。
内定辞退を伝える相手は、企業の採用担当者です。企業によって人事部や総務部など、部署が違うため、選考の際に名刺などをもらっていればよく確認してから連絡しましょう。
連絡の方法は、電話かメールが一般的です。ただし、より早く、確実に採用担当者に連絡が取れる電話連絡がおすすめ。

電話した際に担当者が不在の場合に限り、何度も電話するのはかえって迷惑になるためメールで連絡するようにします。
電話するのは勇気がいりますが、始業直後や終業間際などの慌ただしい時間帯や、離席している可能性が高い昼食時を避けることも大切です。

【例文】内定辞退・電話の場合

内定辞退の電話をするときには、辞退の意思をしっかり伝え、企業の意に添えなかったことへのお詫びの気持ちを表すことが大切です。
内定辞退の理由はあえてこちらから言う必要はありませんが、理由を言う方がスムーズな場合もあります。
また相手から理由を聞かれることもあるので、どちらにしても理由は準備しておきましょう。

「お世話になっております。内定通知をいただきました○○(自分の名前)と申します。採用ご担当の○○様はいらっしゃいますでしょうか。

(相手が出たら)

先日は内定のご連絡をいただきありがとうございました。大変申しあげにくいのですが、御社の内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。実は御社以外からも内定をいただいており、最後まで慎重に検討したのですが、他社への入社を決断いたしました。
御社には貴重なお時間を割いていただいておきながら、大変申し訳ございません」

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【例文】内定辞退・メールの場合

内定辞退を伝えるべく電話をしたけれど、担当者が不在で話すことができなかった場合には、何度も企業に電話せずメールで内定辞退の連絡をしましょう。
内容には、内定のお礼・内定辞退の意思・辞退に対するお詫びの気持ち・メール連絡になったお詫びを入れるのがポイントです。
電話と同様に、辞退の理由を入れなければならない訳ではありませんが、メールであれば言いにくいということもないので、入れておきましょう。

宛名:○○株式会社/採用担当 ○○様
件名:内定辞退のご連絡

お世話になっております。
内定の通知をいただきました○○(自分の名前)です。
先ほどお電話差し上げましたが、ご不在でしたのでメールにて失礼いたします。

この度は、内定のご連絡をいただき誠にありがとうございました。大変恐縮ではありますが、入社を辞退させていただきたくご連絡申しあげました。
自分の適性を熟慮した結果、他社への入社を決意いたしました。
貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、貴社の意に添えなかったことを深くお詫び申しあげます。
本来であれば、直接お伺いしてご挨拶するところではございますが、メールでのご連絡となりましたこと、ご容赦くださいませ。
末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申しあげます。

  • 氏名
  • メールアドレス
  • 電話番号

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内定辞退でよくあるトラブル

内定辞退にまつわるトラブルは避けたいもの。よくあるトラブルを紹介するので、できるだけトラブルに発展しないように気をつけましょう。対処法も紹介します。

内定承諾書を出した後に辞退する

新卒であれば、内定式に出席した場合でも内定承諾書を提出したケースに当てはまります。結論から言えば、内定承諾書を出した後に内定辞退しても違法ではありません。
法的には「内定承諾書にサインをした=労働契約を締結した」ということになるため、内定辞退は「労働契約の解約」になります。

民法では労働契約の解約はいつでも申し入れられることになっており、解約の意思を伝えてから2週間後に契約解消となると定められています。
つまり、内定承諾書を提出していた場合でも、就労2週間前までに内定辞退すれば、法的には問題ありません。

とはいえ、企業からすれば入社の準備などが進んでおり、ギリギリでの辞退は最初から求人をやり直す必要も出てきます。企業にとっては費用と時間の大きな損失。損害賠償を請求される可能性は低いですが、トラブルに発展することは十分に考えられますので、できる限り早く内定辞退を伝えましょう。

内定辞退を伝えたら会社に来るよう求められた

内定辞退の連絡をしたら、企業から呼び出されるということがあります。ちょっと怖いなと感じるでしょうが、どのように対応するのがよいのでしょうか。
内定を断ったのに会社に呼ばれる理由のひとつに、内定辞退を考え直して欲しいと求められることが考えられます。企業側は応募者の中から選考を行い、自社にとって最適と思われる人物に内定を出します。
それを断られてしまうと、再選考する必要も出てくるため企業としては、大きな痛手となるのです。

しかし、内定辞退の意思が固いのであれば呼び出しに応じるメリットはほぼありません。引き留められたり、非難されたりする場合も考えられるので、採用担当者に電話かメールで呼ばれた理由を問い合わせてみましょう。「履歴書の返却」など、もっともらしい理由を言われても「破棄してください」と応じれば大丈夫です。

内定辞退者がこの呼び出しに応じる必要はなく、拒否しても法的な義務や罰則もありません。ただし、無視するよりは断りの連絡を入れることをおすすめします。
拒否したことで企業から脅迫や嫌がらせなどを受けた場合には、違法行為となるので、法的機関に相談してみましょう。

まとめ

内定を辞退することは、思っている以上に気を使うものです。内定辞退は、企業にとって大変な損失となることを理解し、できる限り早く返事をしましょう。
場合によってはトラブルに発展しかねないため、きちんと誠意を示すことが大切です。

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