大卒の3分の1が第二新卒者に

2014年11月に厚生労働省が発表した、2011年3月新卒者の3年以内での早期離職者調査によると、高卒で39.6%、大卒が32.4%という結果となっています。すなわち高卒で約4割、大卒者でもおよそ3人に1人がせっかく就職した勤め先を短期間で退職しているということになります。

高卒はともかく深刻なのが大卒者で、これではなんのために大学に4年間も行ったのか分からない…という両親の嘆きが聞こえてくるようです。

あまりに多い新卒者の早期離職という社会現象は、「第二新卒」という流行語まで生むこととなりました。つまり、最初の就職先にうまく対応できずに辞めてしまった準新卒者とでもいうべき2回目の就活中の若者が多くいることからできた言葉です。

むろん、中には企業側の都合による内定取り消しや就職後に発覚した企業の不祥事など、学生側には責任のない原因での離職も含まれますが、3割以上の大半が「こんなはずじゃなかった」という就職前のイメージと就職後の現実とのギャップの解消ができずに離職を選んだパターンなのです。

少子化とネットの時代が影響

このような現状は、少子化によって両親による子供への教育が甘くなっていることが影響していると指摘する識者が多いようです。すなわち、厳しい企業社会の現実に直面した新卒者が離職を望んだら、昔なら早期離職をたしなめることが多かったはずの両親が、今では離職やむなしという考え方に変わってきているというわけです。

一人っ子に苦労させるよりは、もっと楽な仕事を見つけてやりたいという親心というわけです。

それと、ここ10年ほどで様変わりしたネット環境も無視できません。今の学生は。就活時にはSNSなどのネットコミュニティを最大限に利用しており、それは悪くはないのですが、ひとたび就職して最初の壁にぶち当たると、ネットコミュニティで恵まれた環境(に見える)仲間がうらやましくなってしまい、離職の決断を早めてしまうようなのです。

最低3年の我慢を

日本の企業環境も不況から脱却しつつあるとはいえ、まだまだ厳しい状況が続いており、新卒者にとって良好な職場環境とはいえない企業も少なくはありません。

しかしながら、就職した企業がいわゆる「ブラック企業」ではない限り、昔からいわれている「最低3年は我慢する」という新卒者の鉄則を、今だからこそ貫き通す心構えが必要なのではないでしょうか?我慢した3年間は、早期退職した場合の何倍ものプラスとなって還ってくるはずです。