会社の同僚の結婚式に招待された、急に上司のご家族が亡くなったなど、社会人になるとさまざまな冠婚葬祭の場面があります。世は令和とはいえ、冠婚葬祭には昔ながらの礼儀やマナーがあるもの。社会人として常識とされるため、知らないでは済みません。
この記事では、いまさら聞けない冠婚葬祭の基本的なマナーを紹介します。いつその時が来ても良いように、覚えておきましょう。



そもそも冠婚葬祭とは?

冠婚葬祭と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?そもそもの意味を紹介します。その中で、ビジネスマナーとして覚えておきたいものは何かも説明します。

「冠」の意味

「冠」とはもともと「元服」の意味です。上流貴族では元服すると冠をいただいたことから、「冠」が元服を表すようになったようです。元服とは男の子が成人を迎えることで、12〜16歳だったとされます。時代や政治的な背景によっては5〜6歳で元服することもありました。

ちなみに女の子が成人するのは「裳着(もぎ)」といい、初めて正装し女性として認められる儀式でした。
現在での「冠」は成人式はもちろん、勲章を受ける、出産など人生の節目となるお祝いごとを差しています。

「婚」の意味

字を見ればわかりますが、「婚」は結婚を表します。結婚式は人生の大イベントですから、今も昔も大々的にお祝いをするのです。現在では結婚式のあり方もさまざまですが、共通のマナーは多いためしっかり覚えておきたいものです。

「葬」の意味

こちらも字でわかる通り、葬式のことです。結婚式のようにおめでたいイベントではないため、礼儀作法や服装については知らないと恥をかくだけでなく、亡くなった方や親族に対して失礼にあたることも。
特に仕事関係で参列する場合にはマナーに気を付けましょう。

「祭」の意味

四季の行事やイベント、記念日などを含めて「祭」に当てはまります。行事やイベントにふさわしいかどうかが大切なので、マナーも主催者や地域の慣習などに従うと良いでしょう。

ビジネスマナーとして覚えたいのは結婚式と葬式

職場や仕事関係で出席する可能性が高いのは、冠婚葬祭の中でも結婚式と葬式です。子どもの頃に親と一緒に出席したことがあっても、社会人になると自分で出席しなければなりません。

マナーは人間関係を潤滑にするものですが、結婚や葬儀は主催者にとっては人生の一大イベントです。相手のことを思いやり、失礼のないように振る舞うために、マナーを覚えることが必要なのです。

結婚式・葬式のマナー

マナーは細かくいえばキリがないのですが、ここでは出席する機会の多い結婚式と葬式のマナーを解説します。ただし地域によって異なる場合もあるため、まったく違う地域で出席する場合には事前に確認することをおすすめします。

結婚式のマナー

【服装】

新郎か新婦の職場関係者として結婚式に招待された場合、ほかの出席者から見れば「会社の代表」となります。そのため服装は男女ともに、華美になることを避け新郎新婦より目立たないことを心がけてください。

男性はブラックスーツかダークスーツに、白かシルバーグレーのネクタイが基本です。女性は新婦と被る白を避け、肌の露出を抑えた服装を選びましょう。

【ご祝儀袋】

祝儀袋にもさまざまな種類がありますが、結婚式では「結びきり」の水引のものを選びましょう。結びきりとは、一度結ぶとほどくことができないことから、一度しかないお祝いごとに使います。

ちなみに蝶結びの水引は、出産祝いや入学祝いなど、何度あっても良いお祝いのときに使用します。

また祝儀袋のデザインも現在では凝ったものがありますが、中身の金額と釣り合ったものを選びます。袋だけ豪華で中身が少ない、逆にご祝儀は高額なのに袋がチープだと、ちぐはぐなイメージになってしまいます。
中に入れる金額の1/100程度の値段のご祝儀袋が目安です。

【ご祝儀の金額】

ご祝儀の金額は相手との関係性や立場から考えます。相場としては30,000〜50,000円です。お札は新札を準備し、偶数にならないようにします。偶数は割り切れてしまうため、結婚式では避けましょう。

葬式のマナー

【服装】

職場関係者として葬儀に参列する場合には、服装に気を使いましょう。ダークスーツでもいいかな?と思うかもしれませんが、基本的に仕事関係での参列は男女ともに喪服(礼服)を準備しましょう。

男性は喪服に白いワイシャツ、ネクタイ、靴下、靴もすべて黒で統一します。女性も喪服のスーツかワンピースで、ストッキングはベージュか黒、バッグとパンプスも黒にします。

キラキラ感のある時計やアクセサリーは外し、女性はパールであればOKです。ただし2連のネックレスは「不幸が二重になる」ことを連想させるため避け、1連のものか1粒のものにします。ピアスやイヤリングも1粒パールのものにしましょう。

ネイルは華美なものは避け、オフする時間がない場合には黒のグローブをしたり、上からベージュのネイルポリッシュを塗るなどすると良いです。
また革製品は殺生を連想するため、避けるようにします。

お通夜に出席する場合にも、基本的には葬儀と同じ服装で問題ありません。しかし急なことなので準備ができない場合には、男性は一般的なビジネススーツで黒や紺、ダークグレー、女性は黒・濃紺・グレーのシンプルなスーツやワンピースでも大丈夫です。

【香典袋】

急なことが多いお通夜や葬儀では、香典袋を準備するのに時間がないこともあります。コンビニなどで手に入りますが、お通夜や葬儀に出席する場合には基本的に無地で「御霊前」と書かれたものを選びます。

故人の宗派に合わせるのがベストですが、わからない場合には「御霊前」で問題ありません。蓮のプリントがされたものもありますが、仏教に限られるためわからない場合には避けましょう。

「御仏前」「御佛前」は、浄土真宗などの真宗系か、四十九日を過ぎてからなので、間違えないように注意してください。

【香典の金額】

香典でいくら包めば良いかわからない場合には、相場を知っておくと大きく外れることはありません。基本的に5,000〜10,000円が相場です。

職場関係では葬儀に参列しなくても香典を包むことがありますが、お札は新札を避けます。新札だと「準備をした」という印象となるためです。
また「死」や「苦」を連想させる「4」と「9」の金額は避けるようにしましょう。

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まとめ

冠婚葬祭のマナーは、日本古来からのものも多く覚えることもたくさんあります。いつも以上に気を使いますが、マナーは相手に対して失礼のないようにするものです。相手への敬意を忘れずに、基本的なマナーできちんと対応しましょう。
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