今回は「採用力」について考察していきます。組織の大小にかかわらず、企業にとって人材とは根底を支える貴重なもの。どんな企業も「良い人材」を欲しがるのは当然のことです。

では、どのようにしたら「良い人材」と出会い、採用まで繋げることができるのでしょうか?企業にとって「採用力」とは何か、また採用力を高めるためにできることについて考えていきましょう。

「採用力」って何?

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「採用力」という言葉を聞いたことがありますか?その字の通り、簡単にいえば企業が人材を採用する力のことです。なんと企業向けに「採用力検定」というものがあるのです。

「採用力検定」とは、「一般社団法人 日本採用力検定協会」が行っている検定で、人事担当者や採用に関わる人が、採用の基礎やスキルを身につけ、良い人材採用につながること、引いては社会全体の発展につながることを目的としています。

しかし、毎年まとまった人数の新卒採用や、常時中途採用の需要がある企業ばかりではありませんので、中小企業にとって採用担当者の教育にまで手が回らないこともあるでしょう。

では、採用力を高めるためには、どうしたらいいのでしょうか?

なぜ採用が大切なのか?

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まずは、企業にとって採用の重要さを知る必要があります。なぜなら、企業が競争で優位に立つためには優秀な人材が必要であり、その人材を獲得するための活動が採用であるからです。

また、就職や転職というものは、その人の人生をも左右する大きな転機でもあります。企業の将来とともに、採用者へも大きな責任が伴うのが、採用という活動なのです。

さらには、一人の人材採用が自社にもたらす貢献が、企業の大きな成長へとつながり、最終的には社会への貢献とつながっていくことまでも視野に入れておいてください。

「働き方」に注目が集まって久しいですが、多様化する雇用形態にも対応しながら、良い人材を確保する方法を考えていきましょう。

採用力は3つの要素でできている

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採用力は、

  • 企業力
  • 労働条件
  • 採用活動力

の3つの要素で構成されていると言われています。労働条件については、すぐに変えることは難しいですが、採用活動力を高めることで採用力も企業力も上げていくことはできます。

厚生労働省の有効求人倍率を見てもわかる通り、売り手市場と言われる昨今ですが、平成30年12月で有効求人倍率は1.63倍となっています。

これは、1人の求職者に対して1.63社の求人があるということです。少子高齢化による影響は否めませんが、良い人材を採用するためには、すぐには変化しない人口構造を嘆いても仕方ありません。

今ある条件で、良い人材を確保するために、採用活動力を高めていきましょう。

とはいえ、採用活動にさまざまな問題があることも事実です。その問題点を解決するためにはどうしたらいいでしょうか?

採用活動にかかわる問題点

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一口に採用力とは言っても、業種や企業の規模によって歴然とした格差があります。しかも、「金融業」は人気業種であるため、求人倍率が0.28倍、一方で人気のあまりない「流通業」では11.04倍というバランスの悪さがさらに追い打ちをかけています。(参考:第36回ワークス大卒求人倍率調査 2020年卒

求職者にとっては希望の業種に入りにくく、人気のない企業にとっては求人しても応募が集まりにくい状況と言えます。

さらには、従業員の規模でも格差が顕著で、5000人以上の企業では0.42倍、300人未満の企業では8.62倍となっています。

つまり、大企業ほど採用に有利で、中小企業はなかなか採用力が上がらないことが言えます。

求人を出す媒体とコストを考える

ノートパソコン正面

2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査 によると、企業が採用にかけた費用の平均総額は、557.9万円で、入社予定者1人あたりの採用費平均は、上場企業で45.6万円、製造業では54.1万円となっています。

企業が1人採用するのにかかるコストは、新卒でも中途でも40万円以上はかかるということが言えるのです。

中には、数百万というコストをかけて求人したのに、応募が来ない、良い人材がいないという理由で採用に至らない場合も。

採用力を高めるためには、まずは求人を出す媒体を見極め、自社が求める人材はどの媒体とマッチするのかをよく把握する必要があります。

特に労働条件面で大企業と肩を並べることが難しい中小企業では、大手が運営する求人サイトより、地元に強く、中小企業の掲載が多い求人サイトを選んだ方が、求職者の目に止まる可能性が高くなるのです。

大手求人サイトは、確かに登録者も多く閲覧数も多いのですが、多くの情報や大企業に埋もれて、自社の求人が目立たなくなってしまうのです。

これでは、いくら費用をかけたところで応募が集まることはありません。費用削減のためにも、求人媒体は金額だけでなく、必要な人に届く媒体という視点で選びましょう。

求職者へ自社の魅力と必要な情報を届ける!

たくさんのメモが貼られた壁を見る男性

せっかく求人を掲載したのに、必要な情報が求職者に届かないためにエントリーしないというケースはよくあります。

求職者が一番見ると言われているのは、給与や雇用形態、福利厚生などではありますが、実は社風や職場の雰囲気なども重要視しているのです。

求職者は、自分がどんな職場で働くことになるのか想像しながら求人を見ています。求職者は、どんな上司や先輩がいるのか、働く環境はどうなのか、雰囲気はどうなのかといった情報も求めているのです。

しかし、求人票には労働条件面しか書かれておらず、会社の雰囲気がまるで伝わらなければ不安にさせてしまうのです。

写真が掲載できるのであれば、できるだけ社内でスタッフが写ったものを掲載すると雰囲気が伝わりやすいでしょう。

自社の魅力をPRできる欄があるのであれば、できるだけ詳細に、丁寧に、企業内の文化や職場環境について書いてください。もちろん、ターゲットとする求職者が何を求めているかも熟考する必要があります。

応募があったらスピーディな対応を!

パソコンを操作する女性

専任の人事担当者がいる会社ばかりではないでしょう。その場合、採用担当者は他の業務と兼任で採用を行うことになります。採用ばかりに時間を割くこともできず、どうしても採用活動がおろそかになってしまうこともあります。

しかしながら、求人のほとんどがインターネットを使った求人サイトから行われることを考えると、スピーディな対応は必須です。

便利になった分、求職者も一度に20〜40社に応募することも少なくないため、競合他社に優秀な人材を渡さないためには、できる限り素早いレスポンスをすることが大切なのです。

応募者は、緊張しながら企業からのレスポンスを待っていますし、返事の来た順にスケジュールに組み込んでいきます。

迅速に対応することの重要さは、良い人材獲得に欠かせないものです。

掲載する求人サイトとは、応募があったらどのように通知が来て、どのようにレスポンスしたらよいのか、よくレクチャーを受けておきましょう。

他の業務で忙しくても、応募があったことが即時にわかるよう、設定しておくといいですね。

まとめ

採用力を高めるには、求職者の立場になって求人票を作るところから考えてみると近道かもしれません。はたらくぞドットコムでは、無料で求人票作成や見直しのお手伝いもいたします!採用担当のみなさまのお力になりますので、お気軽にご相談ください!